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Looking for Utopia

オーストラリアの大学に留学中。日々の学びや感じた事を綴っていきます。

ズートピアならぬユートピアを目指して

初めまして🐨
 
☆自己紹介☆
私は今オーストラリアのクイーンズランド州にあるクイーンズランド大学(UQ)で勉強している大学生です。留学生として、そしてトビタテ留学JAPANの奨学生として一年間オーストラリアで勉強する予定で、オーストラリアに来て早くも1ヶ月が経ちました。
 
大学ではBA(Bachelor of Arts)を専攻していて、教育、オーストラリア文化社会、セクシャリティ&ジェンダー、移民のアイデンティティなどを勉強しています。このブログを通して、オーストラリアでの生活や、日々の学びや感じた事などを発信していくつもりです。
 
☆留学について☆
2016年に公開されたディズニー映画、「ズートピア」。ご覧になりましたか?今、盗作だ、盗作じゃない、てちょっと話題になってるやつです(笑)

このお話は、昔は捕食者と被食者の関係だった肉食動物と草食動物が共に暮らしている「ズートピア」という大都市が舞台です。そこはどんな動物たちもどんな夢も叶えられる「自由」の都市です。そして、片田舎に住む主人公のうさぎはそんな「ズートピア」に夢を抱いてはるばるやって来ますが、差別や偏見にぶち当たります。この映画では人種差別、女性蔑視や欺瞞など現実世界の社会問題が色濃く反映されています。

そして、私も主人公のうさぎの様に、オーストラリアがある種の「ズートピア」ならぬ「ユートピア」みたいな場所だと信じ、日本を飛び出しやってきました。早くも1ヶ月経ちましたが、映画同様、理想と現実のギャップにぶちあたっています。

そもそも、私の留学のテーマは、「みんな違ってみんないい」社会を目指して、です。私は多文化主義国家オーストラリアのクイーンズランド州で実施されている「教育における文化的、言語的多様性政策」を調査しにオーストラリアに来ました。そして、移民、難民、アボリジニ、LGBTQ、障害者、経済的地理的に不利な子供達など、多様な文化を持つ子供達がどのように社会に受け入れられているかを学びたいと思っています。それを通じて、対照的に日本社会が抱えている、差別、偏見や教育面での問題の解決の糸口を探したいと思っていました。

こんな素敵な教育政策をしているから、さぞかしオーストラリアは私の目指す皆が互いのアイデンティティを尊重し合いオープンに他者と関わる「ユートピア」に違いない。そんな期待を胸に抱いていた私ですが、現実はそんな甘くなかったです(泣)

たしかに、オーストラリア、多文化が「共存」はしてるんです。「共存」は。目で見える多文化で言えば、街や大学を歩いていると、世界中から来た色んな人種、言語、文化、宗教を持つ人達と当たり前にすれ違います。そして、様々な国のレストランやお店が至る所に乱立しています。事実、オーストラリアの都市部では、3-4人に1人は家では英語以外の言語を話している、というレベルで色んな国にルーツを持つ人たちが住んでいます。

でも、決して色んな文化を持つ人たちが"mixed"しているわけではないんです。分かりやすいところで言えば、アジア人はアジア人で、白人は白人で、黒人は黒人で、それぞれの人種の人たちが同じ人種同士で固まって、別々のコミュニティを作り上げている感じ。同じ社会で、同じ空気を吸っている筈なのに、すぐ隣をお互いにすれ違うのに、どこか違う世界を生きているような、違和感を感じます。

そして、違和感を感じつつそんな私も人種の壁を乗り越えられていない矛盾に苦しんでいます。中国人と台湾人の友達が沢山できたのですが、やっぱり文化も近く親近感が湧くからですかね?日本では自分が"アジア人"だと思った事は無かったですが、オーストラリアに来て自分が"アジア人"である事を身に染みて気付きました。

また、マイノリティを含めた全ての子供達に平等に教育へのアクセスを与える、という点での多様性教育についても、それが本当に達成できているか疑問が生まれて来ました。私が今勉強しているUQは、オーストラリアの中でもトップの大学になります。そして、自分の周りを見渡した時に気付くのが、留学生を除くと(留学生も圧倒的に白人が多いのですが)、生徒の多くが私立校出身の白人オーストラリア人である事です。

例えば今とっているジェンダーの授業では9:1で白人:その他の人種です。街ではあんなに沢山のアジア人や黒人を見かけるのに、大学では白人が圧倒的に多い事に違和感を覚えます。オーストラリア政府も、日本でいう日本学生支援機構同様、貸与型の奨学金を大学を志す人種など問わず全てのオーストラリア人が得られる制度を持っています。その点ではinclusiveな筈なのに、大学に実際通ってみると白人率が圧倒的に高く、この事実から、今だにオーストラリアの教育は白人の中産階級に焦点が当てられていて、その他のマイノリティを取りこぼしてしまっているのではないかと感じています。

そんな風に、オーストラリアが「ユートピア」では無かったのかもしれない、という事にちょっとショックを受けているのですが、でもクイーンズランド州や他の州で、多様性教育が多く実施されているのも事実です。他者のアイデンティティを尊重できる子供を育成しようと、日本語&英語や手話&英語のバイリンガル教育や、アボリジニや多文化に焦点を当てた教育などを実施している学校もあり、フィールドワークやボランティアを通して、これらの教育が子供達にどんな影響を与えているか実感できたらと思っています。また、大学内でもwomen's roomがあったり、LGBTQや障害者へのサポートが手厚かったりと、素敵な発見も多々あります。

☆楽しい事も沢山ある☆

ここまで割とオーストラリアのネガティヴな側面について綴って来ましたが、オーストラリア文化や社会について勉強するのは本当に楽しいです。まだ建国以来200年経ったか経たないかの最も新しい国の1つでもあって、40000-45000年も前にアボリジニが住み始めた最も古い国の1つでもある"オーストラリア"という国について勉強するのはとてもとても興味深いです。そんなオーストラリア人のアイデンティティって何なのだろう、と最近は気になっているので、オーストラリアの多文化との関わり方に加えて、その事についても考えていきたいです。